【高く売る】実家を売却する進め方とは?相続・空き家の不安を解消
最終更新日: 2025-11-11
- もくじ
「田舎の実家を売却したいけど、何から始めればいいの?」
「手続きが複雑そうで不安…」
「実家を売却した後に後悔したくない…」
「生まれ育った家を売るのはつらい…」
そんな風に思っていませんか? 実家の売却は、人生の大きな決断です。
実家の売却は、手続きや税金のことなどわからないことばかりだと思いますが、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
この記事では、実家の売却を検討しているあなたに向けて、売却の手順や注意点、税金のことまで詳しく解説します。後悔のない選択をするために、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 家族や相続を含む実家売却の基本的な流れと全体像の理解
- 実家を売る際に発生する費用・税金・手続きのポイントの把握
- 後悔しない実家売却のための判断基準と進め方の理解
こんな人におすすめ
- 相続や空き家化で実家をどうするか迷っている人
- 兄弟間の合意や委任・手続きに不安がある人
- 費用・税金・手取りの見通しを立てて後悔なく進めたい人

実家を売却するタイミング
実家を売却するタイミングは、売却価格に大きく影響します。
不動産市場は常に変動しているため、いつ売却するのが最も良いのか、迷う方も多いでしょう。
ここでは、売却を検討するうえで重要な2つのタイミングについて詳しく解説します。
不動産市況が好調
不動産市況が好調な時期は、売却価格が高くなる可能性があります。
次のような状況では、複数の購入希望者が現れる可能性が高まり、競争が生まれることで価格が上昇する傾向にあります。
- 需要と供給のバランス:需要が供給を上回っている状態では、物件の価格が上昇しやすい傾向にある。
- 価格上昇:不動産価格が上昇している時期は、売却益が期待できる。
- 競合物件が少ない:競合物件が少ない場合、あなたの物件が注目されやすくなる。
- 人口動態: 都市部への人口流入や、特定の地域への開発などが、不動産価格に影響を与える。
- 政府の政策:税制優遇措置や住宅ローン減税などの政府の政策も、不動産市場に大きな影響を与える。
金利が低い・下がり始めた
住宅ローンを利用して不動産を購入する人が多いため、金利の動向は不動産市場に大きな影響を与えます。
金利が低い時期は、購入者にとって住宅ローンが組みやすくなり、不動産の需要が高まる傾向があります。
金利が低いと住宅購入を検討する人が増え、売却のチャンスが広がるでしょう。
実家売却の一連の流れ

ここからは、実家を売却する際の流れを6つのステップに分けて解説します。
相続登記を行う
実家を売却する際には、まず行うべきは「相続登記」です。
この手続きは、故人の財産を相続人が引き継ぐことを法的に確定させるものです。
この手続きが完了していないと、売却手続きを進めることができません。
おもに遺産分割協議書の作成、相続人全員の印鑑証明書の収集など、複雑な手続きがたくさんあります。
こういった手続きは、専門家である司法書士に相談することで、スムーズに進められます。
また、相続開始から一定期間を過ぎると時効となるため、早めの手続きが重要です。
手続きを怠ると、売却が遅れたりトラブルに発展する可能性もあります。
不動産会社へ査定依頼をする
相続登記の次のステップは不動産会社への査定依頼です。
不動産会社に依頼することで、適正な売却価格を知ることができます。
査定依頼の際には、不動産会社の担当者に物件の状況(築年数、リフォーム歴など)や売却の目的(資金調達、相続対策など)を詳しく伝えましょう。
不動産会社は、これらの情報をもとに市場価格を分析し、査定額を提示します。
複数の不動産会社に依頼することで、それぞれの強みを生かした提案を受けることができます。
例えば、地域に強い会社や高額物件に強い会社など、専門性が異なるため比較検討することで、より自分に合った会社を選ぶことができます。
信頼できる不動産会社を見つけることで、安心して売却を進めることができます。
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不動産会社と媒介契約を結ぶ
実家の査定が終了したら不動産会社と「媒介契約」を結びます。
媒介契約とは、売主であるあなたと、不動産会社が協力して不動産を売却するための契約のことです。
この契約を結ぶことで不動産会社は積極的に買主を探し、売却活動をサポートしてくれます。
媒介契約には、大きく分けて一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3つの種類があります。
簡単にそれぞれの特徴を紹介します。
一般媒介
一般媒介は、複数の不動産会社に同時に売却の依頼ができる契約です。
多くの不動産会社に物件情報を公開できるため、短期間で売却できる可能性が高いというメリットがあります。
一方で、複数の会社が競合するため、情報伝達がスムーズに行われない場合や、売却活動が重複してしまう可能性もあります。
専任媒介
専任媒介は、ひとつの不動産会社にのみ売却の依頼をする契約です。
一般媒介に比べて、依頼した不動産会社は売却活動に専念するため、より積極的に活動してくれることが期待できます。
ただし、他の不動産会社に依頼することができないため、売却期間が長引く可能性も考えられます。
専属専任媒介
専属専任媒介は、専任媒介と同様にひとつの不動産会社にのみ依頼する契約ですが、売主が自ら買主を見つけて売却した場合にも、不動産会社に仲介手数料を支払う必要がある契約です。
不動産会社に有利な契約ですが、売主としては売却活動に専念できるというメリットがあります。
買主と売買契約を結ぶ
不動産会社を通じて、あなたの物件に興味を持ってくれた買主が見つかると、いよいよ売買契約を結ぶ段階に入ります。
売買契約は、不動産売買において最も重要な契約であり、この契約によって売主と買主の権利義務関係が確定します。
売買契約には、物件の価格、引渡し時期、手付金、残金決済の方法、物件の状態など、売買に関する重要な事項がすべて記載されています。
契約書の内容は専門的で難解な部分も多いので、不動産会社に丁寧に説明してもらい、わからない点は必ず質問するようにしてください。
特に注意したいのは物件の状態に関する部分です。契約書には、物件の傷や損傷の具合などの確認事項や、現状の状態で引き渡すことなどが明記されます。
物件に気になる点がある場合は、事前にしっかりと確認し、契約書に記載してもらうようにしましょう。
決済・引渡し
いよいよ、売買契約に基づき実家の所有権が買主に移り売却完了です。
この決済・引渡しの手続きは不動産売買の最終段階であり、慎重に進める必要があります。
決済とは、売買代金の支払いを行うことです。一般的には、金融機関で売主と買主が顔を合わせ、売買代金をやり取りします。
この際、不動産登記に必要な書類や物件の鍵などが引き渡されます。
決済の際には、以下の点に注意しましょう。
- 残金確認: 支払うべき残金が契約書に記載された金額と一致しているかを確認しましょう。
- 書類の確認: 登記に必要な書類が全てそろっているか、内容に間違いがないかを確認しましょう。
- 鍵の受け渡し: 物件の鍵が全てそろっているかを確認し、破損がないかなどを点検しましょう。
引渡しをおこなうことで、物件の所有権が買主に移転し、買主が物件を実際に使えるようになります。引渡し時には、以下の手続きを行います。
- 検収: 物件の状態が契約書に記載された内容と一致しているか、最終的な確認を行います。
- メーターの検針: 電気、ガス、水道などのメーターの検針を行い、精算を行います。
- 鍵の交換: 鍵を交換し、買主が新しい鍵で使えるようにします。
不動産会社は、これらの手続きをサポートしてくれますので、分からないことがあれば、遠慮なく相談しましょう。
確定申告を行う
実家を売却して利益が発生した場合は、確定申告が必要となります。
確定申告は、売却によって得られた所得に対して税金を納める手続きです。
確定申告は単に税金を納めるだけでなく、節税対策を行ううえでも重要です。
不動産売却には、さまざまな税金がかかります。
確定申告をすることで、さまざまな控除を受けることができ、税金を軽減できる可能性があります。例えば3,000万円の特別控除など、適用できる控除を受けることができます。
確定申告は、毎年2月16日から3月15日の間に最寄りの税務署で行います。
確定申告書を作成し、必要な書類を添付して提出します。確定申告書の作成は自分で行うこともできますが、税理士に依頼することもできます。
確定申告の際には以下の注意点があります。
確定申告を行う際の注意点
- 期限厳守: 確定申告の期限は厳守しましょう。期限までに申告書を提出しないと、延滞税が課される場合がある。
- 必要な書類の準備: 確定申告には、不動産の売買契約書、不動産取得税の申告書など、さまざまな書類が必要です。事前に必要な書類を準備しておく。
確定申告の手続きは複雑なため、税理士に相談しながら手続きを進めると安心です。
よくある実家を売却するケース

実家を売却する理由は人それぞれですが、ここでは代表的な売却例2つを紹介します。
空き家を売却するケース
空き家を売却するケースは、さまざまな理由が考えられます。
子どもたちが独立し、誰も住まなくなった場合や老朽化が進み、修繕費用が膨大になる場合などがあげられます。
遠方に住んでいるために管理が行き届かず、空き家になったままの状態が続いているケースも少なくありません。
空き家を放置しておくと、固定資産税の負担が増えるだけでなく、倒壊の危険性や、近隣とのトラブルにつながるおそれもあります。
また、相続対策としてあらかじめ売却しておくことで、相続後の手続きを簡単にしたいというケースも考えられます。
相続で実家を売却するケース
相続で実家を売却するケースも、売却するきっかけになります。
例えば、兄弟姉妹など相続人が複数いる場合、全員が実家を欲しいとは限らず、売却して現金化することで公平に分ける方法が選ばれることもあるでしょう。
また、遠方に住んでいる人の場合管理が大変だったり、住む予定がなかったりすると、売却が検討されます。
さらに、老朽化が進んでいてリフォーム費用が膨大になる場合も、売却もひとつの選択肢になるでしょう。
実家の売却相場を自分で調べる方法

実家の売却相場を確認する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な相場の調べ方を紹介します。
不動産情報ポータルサイト
売り出し中の物件価格を横並びで見られる不動産情報ポータルサイト(例:SUUMO、HOME’S、アットホーム など)は、相場感をつかむのに便利です。
ここでは「売出価格=いくらで売りに出しているか」を集め、あなたの実家と近い条件の物件を比べる方法を解説します。
使い方(かんたん3ステップ)
- エリアをしぼる
市区町村 → 最寄り駅(徒歩分数)まで絞り込みます。 - 条件を合わせる
マンション:築年数・専有面積・階数・向き(南/東など)・角部屋/リフォーム有無
戸建て:土地面積・建物面積・築年数・接道状況・駐車台数
※実家の条件に近いものだけを残すのがコツ。 - 価格帯をならす
似た条件の複数件(目安5〜10件)をピックアップして、平均・中央値をメモします。
見るときのコツ
- 売出価格は“希望価格”:最終的な成約は、ここから下がることがあります(交渉や市場状況で変動)。
- 条件差は必ず補正:駅距離が近い/遠い、角部屋、リフォーム済み、眺望・日当たりなどは価格を押し上げ・下げします。
- 新着と古い掲載を分けて見る:長期間売れていない物件は、価格がやや高めのサインかもしれません。
- マンションは“同一マンション内”が最優先:同じ棟・間取り・階数が近いほど精度が上がります。
- 戸建ては“土地条件”が肝:前面道路の幅員、角地か、整形地かなどで価格が動きます。
不動産情報ライブラリ(国土交通省)
不動産情報ライブラリは、国が公開している実際の取引価格(成約価格)や地価の公的な指標を無料で調べられるサイトです。売出価格ではなく、いくらで売れたかの記録を見られるのが強みです。
不動産情報ライブラリでできること
- 成約価格の確認:エリア内で実際に「いくらで売れたか」を検索。
- 地価の目安:地価公示・都道府県地価調査を確認。
- 周辺・防災情報の重ね見:学校区、医療機関、洪水浸水想定などを同じ地図に表示。
使い方(かんたん手順)
- サイトを開く →「地図表示」を選ぶ。
- 画面左のレイヤー(テーマ)で、
- 価格を見る → 「不動産取引価格情報」「地価公示」 をON
- リスクや周辺も見る → 洪水・土砂災害/学校・医療機関/都市計画 をON
- 市区町村や駅周りを拡大し、実家に近い事例をタップして価格・面積・築年などをメモ。
- 似た条件を5〜10件ひろって、1㎡単価を出し、平均・中央値をならして相場感を作る。
見るときのコツ
- 単価化して比較:1㎡単価=取引価格 ÷(専有・延床・土地 面積)。マンションは同一マンション内の事例が最優先。
- 条件差を補正:駅徒歩・築年数・角地/角部屋・前面道路・リフォーム有無で価格は上下。
- 最新動向とのズレに注意:成約データは反映まで数か月〜約1年の時差が出ることがあります。直近相場はポータルの売出価格も合わせて確認すると精度が上がります。
実家の売却における税金や諸費用について
項目(売主負担) | 費用目安(相場) |
|---|---|
譲渡所得税・住民税(復興特別所得税含む) | 【長期】約20.315% |
印紙税(売買契約書・売主分) | 契約金額の階段式(例:1,000万超~5,000万以下=1万円) |
消費税(役務等) | 10%(仲介手数料・司法書士報酬などのサービスに課税) |
仲介手数料(上限) | 売買価格×3%+6万円+消費税(※400万円超の場合) |
各種証明書の取得費(印鑑証明・住民票・評価証明など) | 数百~数千円/通 |
固定資産税・都市計画税の清算金 | 日割精算(引渡し日基準) |
登録免許税(相続登記) | 固定資産税評価額×0.4% |
司法書士報酬(相続登記) | 目安5~10万円+実費 |
登録免許税(抵当権抹消) | 不動産1個につき1,000円 |
司法書士報酬(抵当権抹消) | 目安1.5~3万円+実費 |
実家を売却する際には、さまざまな税金が発生するほか、諸費用がかかります。
これらの費用を事前に把握し、適切な予算を立てておくことが大切です。
税金
実家の売却には、譲渡所得税、登録免許税、印紙税、といった税金が関連してきます。
これらは、実家の価値が高いほど、その負担も増えます。
譲渡所得税および住民税は、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対してかかる税金です。
実家を売却した場合も、売却価格から取得費や売却費用などを差し引いた残額に対して、この税金が課せられます。
譲渡所得 = 売却価格 − (取得費 + 売却費用)
譲渡所得税(および住民税)は、保有期間によって税率が異なります。
一般的に、長期保有している物件は税率が低く、短期で売却した場合には税率が高くなります。
しかし、譲渡所得税には特例や控除が設けられており、適切に活用することで税金の負担を軽減できます。
知らないまま申告すると大きな損失を招く可能性があります。
例えば、居住用財産の3000万円控除を活用しなかったために、本来なら支払う必要のない600万円を納税してしまった、という事例もあります。
また、相続した実家の売却にかかる税金を軽減するための特例をうけるためには、「相続から3年10カ月以内」や「居住をやめてから3年目の12月末まで」など、3年以内に売却する必要があります。
登録免許税は、所有権移転登記や所有権保存登記などにかかる税金です。
売主は抵当権抹消登記、買主は所有権移転登記をおこないます。
その税金は売主・買主それぞれが支払うことになりますが、売買契約時に折半するなど取り決めをおこなう場合もあります。
印紙税は、契約書などに貼る印紙を購入し、納める税金です。
実家の売買契約書にも印紙税が課せられます。契約金額に応じて、税率が定められています。
諸費用
実家を売却する際には、売却価格以外にも以下のようなさまざまな費用がかかります。
諸費用は、売却額の大きさや物件の状況によって異なります。
仲介手数料
仲介手数料は不動産会社に仲介を依頼した場合に支払う費用です。
売買価格の一定割合が一般的で、契約内容によって負担割合が異なります。
不動産の所有権移転登記手続きを司法書士に依頼した場合にはその費用も発生します。
登記の種類や物件の価格によって費用は異なります。
広告費
広告費は、不動産会社が物件を広告する際に発生する費用です。
新聞広告、インターネット広告、ポスティングなど、さまざまな媒体を利用して物件情報を発信します。
広告費は、物件の種類や地域、売却期間などによって変動します。
不動産の評価額を専門の不動産鑑定士に依頼して算定する場合、鑑定費用が発生します。
相続税の申告や、金融機関への融資の際に、不動産の評価額が必要となることがあります。
売却日までの固定資産税は、売主が負担します。そのため、売却日時点で精算が必要です。
固定資産税は、毎年1月1日時点での所有者を対象に課税されるため、売却月によって精算額が異なります。
このほかにも、リフォーム費用やハウスクリーニング費用などが発生する場合もあります。
実家を売却するメリット
実家を売却すると、これまで負担していたさまざまなことから解放されるという大きなメリットがあります。
管理する必要がなくなる
実家を所有していると、その維持管理の責任を負うことになります。
屋根の修理、外壁の塗装、排水管のつまりなど、思わぬトラブルが発生するかもしれません。
また、空き家になった際の防犯対策も考える必要があります。
遠方に住んでいる場合や高齢で手が回らない場合は、これらの対応が大きな負担となります。
実家を売却することで、これらの煩わしい管理業務から解放されます。
週末ごとに実家に行き、掃除や庭の手入れに追われることもなくなるでしょう。
これまで実家の維持に費やしていた時間を、自分や家族のために使えるようになります。
旅行に行ったり、趣味を深めたり、新しいことに挑戦したりと、より充実した生活を送れるようになるでしょう。
固定資産税を支払わなくていい
不動産を所有している限り、毎年固定資産税を納める義務があります。
とくに都市部や地価の高い地域では、その負担は無視できません。
実家を売却すれば、この固定資産税の支払いから解放され、経済的な負担が軽くなります。
また、相続が発生した場合の相続税の負担も軽減できる可能性があります。
資金を得られる
実家を売却することで、まとまった現金を得られます。
この資金は、老後の資金準備や、子供の教育費、マイホームの購入など、さまざまな目的に活用できます。
例えば、老後の生活費を心配せずに、安心して好きなことを楽しむための資金として活用したり、子供の進学資金を準備したりできます。
また、現在の住まいをより快適にするためのリフォーム費用や、新しい投資資金としても有効です。
誰も住んでいない不動産を持っていてもお金は生まれません。
売却して現金化することで、より自由に使えるお金に変えることができます。
修繕する必要がなくなる
老朽化した実家は、屋根の修理や内装の改修など度々、修繕が必要になります。
これらの修繕費用は、思わぬ出費となり経済的な負担となるでしょう。
実家を売却すれば、これらの修繕費用から解放され、経済的な負担を軽減できます。
また、空き家となった実家は、倒壊の危険性や、近隣とのトラブルの原因となる可能性もあります。
売却することで、これらのリスクから解放されます。
実家売却でよくある失敗事例
実家の売却を検討する多くの人にとっては、実家の売却は人生で初めての経験でしょう。右も左もわからない中で、成功させるのは難しいはずです。
ここでは、過去の実家の売却事例でよくある失敗事例を紹介します。この失敗例を学びにして、実家売却の際の参考にしてみてください。
兄弟間の合意形成が不十分で契約直前に揉める
実家を売るときに起きやすいトラブルの一つが、兄弟の合意が十分でないまま話を進め、売買契約の直前で意見が割れて止まってしまうケースです。
よくある原因は、誰が代表として動くか決めていないこと、売り方や売る時期・価格の考えがそろっていないこと、お金の分け方や費用の負担方法が曖昧なことです。
相続登記が終わっていない、名義が分かれているのに確認が遅れた、という手続き面の抜けも混乱を招きます。
揉めないためには、最初に「誰が決めるか」「どうやって決めるか」「お金をどう分け、どう精算するか」をはっきりさせ、決めたことを文書で残すことが、契約直前のトラブルをほぼ防ぐ一番の方法です。
相続登記や必要書類の準備は早めに進め、迷う点は専門家に相談しながら、家族全員が納得できる形で進めましょう。
告知義務の不履行で契約不適合責任トラブルになる
実家を売るとき、売主には「知っている不具合や重要な事実を買主に正しく伝える」義務があります。
これを怠ると、引き渡し後に雨漏りや白アリ被害、配管の不具合、越境・境界未確定、地中の埋設物、増改築の無申請、近隣トラブルなどが見つかった際に、
「聞いていなかった」として契約不適合責任(修補・代金減額・損害賠償、場合によっては契約解除)を求められることがあります。
仲介会社の重要事項説明があっても、売主自身の説明不足は免責になりません。
トラブルを避ける基本は、わかる範囲で正直に、具体的に、書面で残すことです。
そのためにも、手元の資料(修理履歴・領収書・点検報告・保険記録・管理通知・固定資産税・建築確認など)を整理しておきましょう。
告知書には、「いつ」「どこで」「どの程度」「どんな対応をしたか」を簡潔に記しましょう。売り出し後に新しく不具合が分かった場合は、すぐに仲介担当へ連絡し、告知内容を更新するようにしてください。
査定額を鵜呑みにして高値出しし、売れ残って値下げ連鎖
実家の売却でよくある失敗は、最初の査定額をそのまま信じて高すぎる価格で売り出すことです。
不動産ポータルサイトに売出直後の1〜3週間は「新着効果」でいちばん見られる時期ですが、ここで反応が弱いと、長く売れていない物件という印象がつき、問い合わせがさらに減ります。結
果として小刻みな値下げをくり返すことになり、最終的な成約価格が想定よりも下がってしまい「値下げ連鎖」になってしまいます。
失敗を避けるコツは、データで「現実的な初期価格」を決め、運用ルールを先に作ることです。
国の成約データ(国交省)や近隣の売出情報から、似た条件の複数事例を集めて平均・中央値を出し、それより大幅に下がっていないかを確認しましょう。
次に、見直しの基準を事前に言語化しましょう。
たとえば、
- 「2週間で問い合わせ0件なら写真・文言と価格を見直す」
- 「4週間で内見0件なら5%前後の値下げを検討」
- 「競合に明確な“お買い得”が出たら即座に追随する」
など、期間と数値で決めておくと迷いません。
実家を売却する時に後悔しないための注意点
実家を売却する際には、さまざまな手続きや注意点があります。
スムーズに売却を進めるために知っておきたい3つの重要なポイントについてまとめました。
確定申告を必ず行う
売却によって利益が出た場合は、確定申告を行う必要があることを覚えておきましょう。
不動産の売却により得られた利益に対しては、譲渡所得税が課せられます。
この税金は、売却価格から購入費や売却費用などを差し引いた残額に対して計算されます。
税金に関する手続きは複雑な部分も多いため、税理士などの専門家に相談することがおすすめです。
売れやすい時期を狙う
売却のタイミングも重要です。
不動産市場は常に変動しており、売却する時期によって価格が大きく左右されます。
一般的に、不動産市況が好調な時期や金利が低い時期は、より高値で売却できる可能性が高くなります。
不動産情報サイトや新聞記事、不動産会社からの情報などを参考に現在の不動産市場の動向を把握し、最適な売却時期を見極めるようにしましょう。
兄弟で相続する場合は、遺産分割で揉めないようにしよう
実家を兄弟で相続するときは、最初に事実関係をそろえることが大切です。
所在地や面積、築年数、住宅ローンの残債、固定資産税・管理費の負担状況、過去の修理履歴などを一枚のメモにまとめ、全員が同じ情報を共有しましょう。
あわせて、近隣の売出価格や過去の成約事例を調べ、おおよその価値を共通認識にします。数字が見えると、感情的な行き違いが減ります。
次に、役割と決め方のルールを先に決めておきましょう。
連絡窓口となる代表者、連絡手段(メールやLINE)と返信期限、最終決定の方法(全員一致を基本)を明確にし、売却にかかる費用(測量・登記・ハウスクリーニング・仲介手数料など)をどう負担し、いつ清算するかも合意しておきます。
金額の分け方については、選択肢を具体化して早めにすり合わせるとよいです。
- 全員で売却して代金を分ける
- 誰かが住み続け、他の兄弟に代償金(公平になるようなお金)を支払う
- 一定期間は賃貸に出す、など
それぞれのメリット・デメリットや税金、今後の管理負担まで含めて話し合い、「なぜその案にしたか」まで言語化しておくと後戻りしにくくなります。
合意した内容は、必ず文章に残すのがコツです。口頭の約束だけだと、「言った・言わない」で関係がこじれやすくなります。
思い出がつまった実家だからこそ、感情が先に立ちやすいものです。
- 情報を見える化し
- ルールを先に決め
- 合意を文書で残す
この3点を徹底するだけで、多くの揉め事は防げます。
実績豊富な信頼できる不動産会社を選ぶ
信頼できる不動産会社を選ぶことも非常に重要です。
不動産会社は、物件の査定から広告、内見対応、契約手続きまで、売却に関するさまざまな業務を代行してくれます。
実績豊富で、顧客対応が良い不動産会社を選ぶことで、スムーズに売却を進めることができます。
複数の不動産会社に見積もりを依頼し、比較検討することもおすすめです。
実家が売れない時の対策
実家を売却しようと考えているものの、なかなか売れないというケースは少なくありません。
さまざまな要因が考えられますが、諦める前にいくつかの対策を検討してみましょう。
買取を検討する
まずは、不動産の買取を検討してみてください。
不動産会社の中には、売主から直接不動産を「買取」しているところがあります。
一般的に、売却価格はやや低くなる傾向がありますが、迅速に現金化したい場合や通常の売却方法では時間がかかりそうな場合は、ひとつの選択肢になるでしょう。
買取のメリットとしては、短期間で現金化できることや、広告費や仲介手数料などの諸費用を抑えられる場合がある点が挙げられます。
一方でデメリットとしては、買取会社が価格を上乗せして売却することを想定しているため、売却価格が相場より低くなりやすい点です。
また、すべての不動産会社が買取をおこなっているわけではないことを理解しておきましょう。
売却価格を再検討する
売却価格が高すぎるために売れない可能性があります。
不動産会社に査定を依頼し、周辺の相場を参考に適正な価格を設定することが重要です。
また、物件のデメリットをしっかりと把握し、価格に反映させることも大切です。
売れやすいタイミングを狙う
不動産市場は常に変動しており、売却する時期によって価格が大きく左右されます。
不動産情報サイトや新聞記事、不動産会社からの情報などを参考に、現在の不動産市場の動向を把握し、最適な売却時期を見極めるようにしましょう。
一般的に、不動産市況が好調な時期や、金利が低い時期はより高値で売却できる可能性が高くなります。
【FAQ】実家売却に関するよくある質問
ここでは、実家の売却を検討している方からよく寄せられる質問をご紹介します。
親が生きているうちに実家を売るべきですか?
結論から言うと、「急いで売るべき」ではありません。いちばん大切なのは、親御さんの気持ちと暮らしの安心です。そのうえで、家計・介護・相続の見通しを一緒に整理し、「今売る」「住みながら売る」「相続後に売る」などの選択肢を比べて決めましょう。
生前に売るメリット
- 管理負担が減る:空き家化や固定資産税・修繕の負担を早めに解消。
- 資金を作れる:介護費や住み替え費用に充てやすい。
- 相続をシンプルに:現金化しておくと、分けやすく揉めにくい。
生前に売るデメリット
- 引っ越しの負担:住み替え準備・手続きが大変。
- 心の整理が必要:思い出の家を手放す心理的な負担。
- 税金の検討が必要:親名義で売る場合の「譲渡所得税」の計算や控除の適用有無を確認。
実家を相続せずに売却することはできますか?
結論から言うと、「相続せずに自分名義で売ること」はできません。
不動産は名義人(所有者)しか売れないため、相続が発生している場合は、いったん相続人が権利関係を整理してから売却する流れになります。
ただし、状況ごとに現実的な進め方があります。やさしく整理しますね。
親がご存命の場合
- 売却するのは親名義です。親御さんの意思確認ができれば、通常の仲介売却や買取が可能です。
- 親御さんの判断が難しいときは、成年後見や家族信託・任意後見などの制度を使い、正しく代理できる仕組みを整えてから進めます。
親が亡くなったあとの場合
- 「相続せずに売る」はできません。原則は①相続人で話し合い(遺産分割協議) → ②相続登記 → ③売却の順。
- 実務上は、“相続登記と売却を同日に行う”(決済日にまとめて登記申請する)こともありますが、これは相続を省くことではなく、手続きを同時並行しているだけです。
- 相続放棄を選ぶと、その人は相続人でなくなるため売却には関与できません(代金も受け取れません)。
実家を売却するならどこに相談したらいいですか?
最初の一歩は不動産会社(仲介)に相場と進め方を相談し、並行して司法書士と税理士に早めに確認するのが安心です。スピード重視なら買取会社も同時に当てて、条件を並べて比べましょう。
実家を売却したら固定資産税はどうなりますか?
その年の1月1日時点の所有者が1年分の固定資産税(+都市計画税)の納税義務者になります。
ただし売買では慣例として、引渡し日を境に日割りで清算します。
ですので、売主さんがいったん納付しても、引渡し日以降の期間分は買主さんが負担する形に調整されるのが一般的です。
翌年以降は、売主さんには課税されません。
実家を売却する時の3000万円特別控除とは何ですか?
実家を売って利益(譲渡所得)が出たとき、一定の条件を満たせば最大3,000万円まで利益を差し引ける制度があります。
対象は大きく2つです。
- 自分や親が住んでいた家(居住用財産)を売るときの3,000万円控除
- 相続した空き家を売るときの3,000万円控除です。
条件や使い方が少し違うので、どちらに当てはまるかを確認して進めましょう。
まとめ
実家を売却する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが重要です。
空き家になった場合や相続した場合に売却することになるでしょう。空き家を放置すると、近隣住民とのトラブルや固定資産税の負担が増える可能性があるため、早めの売却がおすすめです。
管理の手間がなくなる、固定資産税の支払いから解放される、まとまった資金を得られる、修繕費用の負担がなくなるメリットがあります。
売却の手続きを紹介しましたが、大変な作業です。専門家のサポートを受けることで、スムーズに進めましょう。
信頼できる不動産会社を選び、適切なアドバイスを受けながら進めることが、成功への鍵です。実家の売却を進めるために、専門家のサポートを受けながら、スムーズな売却方法を見つけましょう。