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住宅ローンが残っていても家は売れる!流れと状況別の注意点を解説

不動産の売却・査定について
公開日: 2024-11-25
最終更新日: 2025-08-06
もくじ
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「住宅ローンが残っていても家は売れるの?」そんな不安を抱えていませんか?

安心してください。正しい手順とポイントさえ押さえれば、ローン返済中の家でもスムーズに売却は可能です。

この記事では、売却の絶対条件から具体的な手順、費用、資金計画まで、知っておくべき重要ポイントを徹底解説。さらに、多くの方が悩む離婚や住み替えに伴う売却についても、状況別の注意点を詳しく説明します。この記事を読めば、あなたの不安が解消され、安心して売却の第一歩を踏み出せるようになります。

ローン返済中の家を売るための「2つの絶対条件」

ローン返済中の家を売るための「2つの絶対条件」

家を購入した際、多くの方が住宅ローンを利用しているため、ローン返済中に家を売ることは珍しいことではありません。

しかし、そのためにはクリアしなければならない「2つの絶対条件」があります。

  1. 住宅ローンを全額完済すること
  2. 家に設定された「抵当権」を抹消すること

これらは「売却活動を始める前に完了させる」のではなく、「売却が決まり、買主から代金を受け取る日(決済日)に同時に手続きを行う」のが一般的です。

この2つの条件を正しく理解することが、スムーズな売却への第一歩です。

条件1.住宅ローンを全額完済すること

なぜ完済が必要?

家を購入する際に利用する住宅ローンでは、その家自体がローンの「担保」になっています。これは、万が一返済が滞った場合に、金融機関が家を売却して貸したお金を回収できるようにするためです。

ローンが残っている限り、家は完全な自分の所有物ではなく、金融機関の権利が付いた状態です。そのため、買主に完全な所有権を渡すためには、売却と同時にローンを全額返済し、担保を外す必要があるのです。

どうやって完済する?

完済方法は、家の売却価格とローン残高のどちらが大きいかによって、主に2つのパターンに分かれます。

  • パターンA:【アンダーローン】売却代金だけで完済する

アンダーローンとは、家の売却価格が、住宅ローンの残高を上回る状態のことを指します。

(例)売却価格 3,000万円 > ローン残高 2,500万円

この場合、買主から受け取った売却代金でローンを全額返済しても、手元にお金が残ります。売却プロセスがスムーズに進みやすい、最も望ましい状態です。

アンダーローンについて詳しく知りたい方は、「アンダーローンの家を売る場合」の項目をご覧ください。

  • パターンB:【オーバーローン】売却代金+自己資金で完済する

オーバーローンとは、家の売却価格が、住宅ローンの残高を下回る状態のことを指します。

(例)売却価格 2,800万円 < ローン残高 3,000万円

この場合、売却代金だけではローンを完済できません。そのため、不足する差額分(この例では200万円)をご自身の貯金など(自己資金)で補填する必要があります。この自己資金を用意できない場合、原則として家を売却することはできません。

オーバーローンについて詳しく知りたい方は、「オーバーローンの家を売る場合」の項目をご覧ください。

条件2.抵当権を抹消すること

住宅ローン完済後の重要な手続きが抵当権の抹消です。

抵当権とは、住宅ローンを組む際に金融機関がその家に対して設定する権利であり、ローンが返済されない場合には金融機関がその家を売却することで債務を回収できるというものです。

つまり、住宅ローンを完済しない限り、抵当権は家に残り続けるのです。

どうやって抹消する?

抵当権を抹消するには、住宅ローンを完済した後に金融機関から「抵当権解除証書」などの必要書類を受け取る必要があります。

これらの書類をもとに、法務局で抵当権抹消の手続きを行います。

手続き自体はそれほど複雑ではなく、必要な書類と手数料を支払うことで比較的短期間で抹消が完了します。

抵当権が残ったままでは、家を購入する側が安心して買うことができず、売買契約が成立しないこともあります。

【補足】

完済時に金融機関から請求される一括返済手数料や、ローンの種類(変動金利など)による残債の変動も、事前に確認しておくべき重要なポイントです。

住宅ローン返済中の家を売る流れ

住宅ローン返済中の家を売る流れ

住宅ローン返済中に家を売却する場合、通常の売却プロセスに加えて、いくつか特別な手続きが必要です。

まず、住宅ローンの残債がどれくらいあるのかを確認し、その残債を売却金額で返済できるかをシミュレーションします。

ローンの残高が売却価格を超える「アンダーローン」や、逆に残債が売却価格を下回る「オーバーローン」などのシナリオに応じて、対応方法が変わります。

1.住宅ローンの残債を確認する

まずは現在のローン残高を正確に把握しましょう。

これは売却の成否を左右する重要なポイントです。

残債の確認方法は、一般的に金融機関に直接問い合わせるか、インターネットバンキングを利用して確認します。

また、ローン返済明細書にも残債額が記載されていますので、こちらを確認することも可能です。

なお、金融機関によっては、ローンの繰り上げ返済に手数料が発生することがあります。

2.家の売却価格を調べる

次は売却価格を調査します。

売却価格を把握することで、住宅ローンの残債をどの程度カバーできるかがわかり、売却の可否や手取り額が明確になります。

売却価格の算定は、売却全体の成功に直結するため、正確な情報に基づいて判断することが必要です。

まず、インターネット上の不動産ポータルサイトを利用して、同じ地域や類似した条件の物件の売却価格を確認します。

これにより、おおよその市場価格の相場がつかめます。

ただし、インターネット上の情報はあくまで参考価格であり、実際の取引価格とは異なる場合があるため、あくまで参考程度にしてください。

より正確な売却価格を把握するためには、不動産業者に依頼して査定を受けることが推奨されます。

3.実際に完済できるかシミュレーションする

実際に売却後にローンを完済できるかどうかをシミュレーションしましょう。

まずは、売却価格から諸費用を差し引いた「手取り額」を算出します。

諸費用には、不動産仲介手数料や登記費用、税金などが含まれます。

これらの費用は物件の売却価格に対して一定の割合でかかるため、あらかじめ計算しておくことが大切です。

手取り額が住宅ローンの残債を上回る場合、ローンを完済でき、残った資金を次の家の購入や引っ越し費用に充てることができます。

オーバーローンの家を売る場合

オーバーローンとは、家の売却価格が、住宅ローンの残高を下回る状態のことです。

オーバーローンの状態で家を売却する場合、通常の売却プロセスに加えて、いくつかの選択肢と注意点があります。

売却する前に「売り先行」か「買い先行」を選び、場合によっては「任意売却」を検討する必要も出てきます。

売り先行・買い先行のどちらかを選ぶ

オーバーローンの家を売却する場合、次に住む家をどう確保するかが重要な課題になります。

このとき、一般的には「売り先行」と「買い先行」という2つの選択肢があります。

売り先行

「売り先行」とは、今の家を先に売却し、その後に新しい住まいを購入する方法です。

この方法は、売却価格が確定してから次のステップに進めるため、資金計画が立てやすい点がメリットです。

買い先行

一方、「買い先行」とは、新しい家を先に購入してから、現在の家を売却する方法です。

住む場所が確保された状態で売却するため、引っ越しや生活のスケジュールを調整しやすいでしょう。

ただし、オーバーローンの場合、現在のローンの返済がまだ完了していない段階で新しい住宅ローンを組む必要があるため、資金のやりくりやローン審査が厳しくなることがあります。

アンダーローンの家を売る場合

アンダーローンとは、家の売却価格が住宅ローンの残債を上回る状態のことです。

この状況は、売却後にローンを完済でき、さらに手元に資金が残る可能性が高いため、オーバーローンよりも有利です。

ただし、アンダーローンでも売却にかかる費用を考慮する必要があり、売却活動をスムーズに進めるためには計画的な準備が必要となります。

1.売却費用を計算する

アンダーローンの家を売却する際には、まず売却にかかる費用を正確に把握することが重要です。

売却価格がローンの残債を上回っている場合でも、売却に伴う各種費用が発生するため、これらの費用を差し引いた後の手取り額を正確に計算しておく必要があります。

主な売却費用には、不動産仲介手数料、登記費用、引っ越し費用、そして税金などがあり、これらの費用は物件の価格や契約条件によって異なるため、売却を進める前にしっかりと確認しておきましょう。

主な売却費用

  • 不動産仲介手数料

不動産業者を通じて家を売却する場合、仲介手数料が発生します。

日本では通常、仲介手数料は「売却価格×3%+6万円+消費税」という計算式で算出されます。

例えば、家の売却価格が3,000万円の場合、仲介手数料は約105万円(消費税込み)となります。

この手数料は売却後に支払うことになるため、事前に予算に含めておくことが大切です。

  • 登記費用

売却時には、所有権移転や抵当権抹消にかかる登記費用が発生します。

司法書士に依頼して手続きを行いますが、その際の報酬や手数料も含まれるため、登記にかかる総額を事前に確認しておきましょう。

  • 引っ越し費用

売却後には新しい住まいに移るための引っ越し費用が必要です。

特に、大型家具や長距離の引っ越しを伴う場合には、費用が高くなることがあります。

これも売却費用の一部として計算に含めておくべきです。

  • 税金(譲渡所得税など)

家を売却して利益が出た場合、譲渡所得税が発生することがあります。

譲渡所得税は、売却価格から購入時の費用やリフォーム代、売却費用を差し引いた額に対して課税されます。

一定の条件を満たせば特別控除が適用されることもありますが、詳細は税理士に相談するのがよいでしょう。

このように、売却費用を正確に計算しておくことで、売却後に手元に残る資金を正確に見積もり、新たな住まいの購入資金や生活設計に役立てることができます。

2.売却活動を成功させるためのポイント

手取り額のイメージがついたら、次は具体的な売却活動に移ります。

成功のカギは「適正な売却価格」の設定

手取り額を最大化するためには、適正な売却価格の設定が不可欠です。市場の動向や周辺の売買事例を参考に、信頼できる不動産業者としっかり相談して価格を決めましょう。

売却前に家のコンディションを整える

売却活動を始める前に、住宅の状態を確認し、必要な修繕やクリーニングを行うことも大切です。家を魅力的に見せるための部分的なリフォームや、設備のチェックは、売却価格や売却スピードに良い影響を与える可能性があります。

物件の魅力を最大限に伝えるプロモーション

売却活動の核心は、買い手の関心を引くプロモーションです。

  • 魅力的な物件紹介ページの作成:特にインターネットでの集客が主流の現在、プロが撮影した写真や分かりやすい間取り図を使った魅力的なページ作りが重要です。
  • 内覧会で直接アピール:購入希望者の購入意欲を直接高める機会が内覧会です。清潔で整理整頓された状態で迎えられるよう準備しましょう。

状況に応じた柔軟な価格戦略

価格設定は売却のスピードに大きく影響します。売却を急ぐ場合でも焦って値下げをするのではなく、市場の動向や買い手からの反応を見ながら、不動産会社と相談し、適切なタイミングで見直すことがポイントです。

購入希望者との交渉

購入の申し込み(オファー)があったら、最終ステップである交渉に移ります。価格や引き渡し時期などの条件面をしっかりと話し合い、双方が納得できる形で契約を成立させることが求められます。


売却を成功させるためには、焦りは禁物です。じっくりと適正な価格で売却できるよう、信頼できる不動産会社と計画を立て、一つひとつのステップを丁寧に進めていくことが、最終的な成功へと繋がります。

3. 売却後の資金計画を立てる

売却で得た資金の使い道をあらかじめ計画しておくことも重要です。

そのまま売却した場合

手元に残った資金の使い道を計画します。税金の支払いを考慮した上で、生活費や貯蓄など、今後のライフプランに役立てましょう。

売却して新しい家を購入する場合(住み替え)

アンダーローンの場合、売却で得た利益を次の購入資金として活用できるため、非常に有利に住み替えを進められます。

  • 売却益を「頭金」に充てて、次のローンを有利
    売却で得た資金を新居の頭金に使えば、新たに組む住宅ローンの借入額を減らし、月々の返済負担を軽減できます。また、自己資金が多ければ住宅ローン審査でも有利に働くことがあります。

  • 無理のない返済計画で新居を選ぶ
    アンダーローンで得た利益を効果的に活用し、次の住まいでも快適に暮らせるように、購入する家の価格や条件は慎重に選び、無理のない返済計画を立てることが重要です。

  • 忘れずに計上したい「新居の購入費用」
    新居の購入時には、物件価格とは別に不動産取得税や登記費用、引っ越し費用などが新たに発生します。これらの諸費用も考慮した上で全体の予算を組むことで、無理のない購入計画を実現しやすくなります。

住宅ローン返済中の住み替えや離婚した場合の注意点

住宅ローン返済中の住み替えや離婚した場合の注意点

住宅ローン返済中に、住み替えや離婚などのライフイベントが発生した場合、家の売却を検討する方が多いです。

しかし、ローンが残っている状態での売却には、いくつかの重要な注意点があります。

離婚の場合は財産分与やローンの扱い、住み替えの場合は新しい住居への資金計画を行なうことが鍵となります。

離婚よる売却の注意点

離婚によって共同所有の家を売却する際には、特に慎重な対応が必要です。

住宅ローンが残っている場合、売却することで得た資金でローンを完済することが一般的ですが、売却方法や残債の処理について、しっかりと理解しておきましょう。

財産分与と家の所有権

離婚時における家の売却は、財産分与に直結します。

夫婦が共同で住宅ローンを組んでいる場合、家は共有財産と見なされるため、売却後の収益は夫婦で分割することが必要です。

財産分与の割合については、事前に協議を行い、双方が合意する形で決めるのが理想です。

特に、住宅ローンの名義がどちらか一方に限られている場合は、その負担がどう分担されるかを明確にしておく必要があります。

住宅ローンの残債確認

離婚による家の売却では、まず住宅ローンの残債を確認することが重要です。

売却価格が残債を上回る場合、売却収益でローンを完済し、残りを財産分与に充てることができます。

しかし、売却価格がローンの残債を下回る「オーバーローン」の場合、自己資金を追加してローンを完済するか、売却後も残債の返済を続ける必要があります。

このような場合、双方の負担をどう分けるか、しっかりと話し合いを行うことが求められます。

名義変更や手続きの負担

離婚によってどちらか一方が家を所有し続ける場合は、住宅ローンの名義変更や所有権の移転手続きが必要になります。

しかし、住宅ローンの名義変更は、金融機関の審査を通過しなければならず、必ずしも簡単ではありません。

例えば、一方がローンを引き継ぐ場合、その人の収入や信用状況によっては審査が通らないケースもあります。

名義変更をする際は、事前に金融機関としっかり相談し、手続きを進める必要があります。

不動産の評価額と売却計画

離婚に伴って家を売却する際には、適正な価格で売却することが重要です。

過去の売却事例や市場の動向を参考に、適正な売却価格を設定しましょう。

正確な査定を受けることが、スムーズな売却につながります。

税金の扱い

離婚による家の売却でも、譲渡所得税が発生する可能性があります。

ただし、居住用財産の譲渡所得には3,000万円の特別控除が適用されることが多いため、税金の負担を軽減できる可能性があります。

具体的な税金の計算や控除の適用については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

住み替えによる売却の注意点

住宅ローン返済中に住み替えを検討する場合、現在の家を売却して次の住まいを購入することになります。

住み替えには、資金計画の見直しや、売却と購入のタイミング調整が重要なポイントです。

現在の家の売却価格と残債の確認

住み替えを進める際には、まず現在の家の売却価格を正確に把握することが大切です。

不動産業者に査定を依頼し、現在の市場価格を確認しましょう。

同時に、住宅ローンの残債も確認し、売却価格でローンを完済できるかをシミュレーションします。

アンダーローンの状態であれば、売却後に残った資金を新居購入の頭金に充てることが可能です。

しかし、オーバーローンの場合は、自己資金の追加や任意売却などの対策が必要となる場合があります。

売却と購入のタイミング調整

住み替えの際には、現在の家を売却するタイミングと新しい家を購入するタイミングを上手に調整することが大切になります。

一般的には「売り先行」か「買い先行」のどちらかを選ぶ必要があります。

売り先行では、現在の家を先に売却してから新しい家を購入するため、資金計画が立てやすいという利点がありますが、売却後に仮住まいが必要になる可能性があるため、その点も考慮する必要があります。

一方、買い先行では新しい家を先に購入してから現在の家を売却するため、住む場所が確保される安心感がありますが、二重ローンのリスクが生じる可能性があります。

どちらの方法を選ぶかは、資金状況や市場動向によって判断しましょう。

住み替えにかかる費用の計算

住み替えには、売却と購入に伴うさまざまな費用が発生します。

まず、売却時には不動産仲介手数料や登記費用、譲渡所得税がかかる場合があります。

さらに、引っ越し費用や新しい家の購入にかかる登記費用、住宅ローンの手数料なども必要です。

これらの費用を計算に入れて、無理のない資金計画を立てることが求められます。

住宅ローンの審査

新しい家を購入する際には、新たな住宅ローンの審査が必要です。

現在のローンが残っている状態で次の家を購入する場合、金融機関の審査は厳しくなることがあります。

特に、二重ローンとなる場合は、収入や返済能力を厳しくチェックされるため、事前にシミュレーションを行い、無理のないローン計画を立てることが求められます。

まとめ

住宅ローン返済中に家を売却する場合、ローンの残債や売却価格、手続きにかかる費用など、しっかりと計画を立てて進めることが重要です。

離婚や住み替えに伴う売却では、特にタイミングや財産分与、資金計画に注意が必要です。

どの状況においても、専門家と相談しながら慎重に進めることで、スムーズな売却と今後の生活設計が実現できます。

売却の際は、しっかりと準備をして最善の選択をしましょう。


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