【早見表付き】不動産売却の仲介手数料はいくら?安くなるカラクリや注意点まで解説
最終更新日: 2025-07-30
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- もくじ

不動産売却時の仲介手数料について、不安や疑問を感じていませんか?特に初めての場合、「いくらかかるのか」「どう計算するのか」など悩むポイントが多いでしょう。
本記事では、法律で定められた仲介手数料の上限や実際の相場、支払いのタイミングなど、不動産売却を安心して進めるための情報をわかりやすく解説します。
不動産仲介手数料の仕組みを理解し、お得に売買する方法を見つけましょう。
不動産売買における仲介手数料とは?
不動産売買における仲介手数料とは、不動産会社(仲介業者)に物件の買主または売主を見つけてもらい、その結果として売買契約が成立した際に支払う報酬のことです。
不動産会社は、物件の広告・案内・契約条件の調整・価格交渉・契約書の作成補助など、売買成立に向けたさまざまな業務を担います。これらの仲介業務の対価として、売主・買主それぞれが不動産会社に支払うのが「仲介手数料」です。
なお、仲介手数料は成功報酬であるため、売買契約が成立しなかった場合には基本的に支払う必要はありません。
不動産売却時に仲介手数料はいくらかかる?
不動産売却時に仲介手数料はどのくらいかかるのか、また実際にどういったお金が発生するのかを紹介します。
成功報酬による支払い
仲介手数料は、一般的に売却が成功した場合にのみ発生する成功報酬型になっています。つまり売れなければ手数料はかかりません。
このため、不動産会社は売主の希望価格や条件にできる限り近づけて売却できるように努めます。具体的には以下です。
- 物件の魅力を伝える広告の作成
- 多くの人に物件を見てもらえるように内覧の調整
- 買主と売主の間の納得のいく価格交渉
- 契約書の作成などのさまざまな手続き全般
売主は、売却が成立した段階で初めて手数料を支払うため、事前の出費やさまざまな手続きを心配することなく売却をおこなえます。
手続きの代行費用など
仲介手数料には、単に売買が成立した際に不動産会社に支払う報酬というだけでなく、不動産会社が提供するさまざまなサービスに対するお金も含まれています。
具体的には、契約書の作成や手続き、広告の掲載、物件の内覧会の開催、買主との交渉など、不動産売却に関するさまざまな業務を代行してくれます。
これらの業務は、専門的な知識や経験が必要となるため、不動産会社に依頼することで、スムーズかつ安心して売却を進められます。
特に契約書の作成や法的な手続きは、専門知識がないとミスが起こりやすく、トラブルに発展するおそれもあります。
不動産会社に依頼することで、リスクを回避することができます。
また、広告など販売活動の方法も、インターネットやチラシなどさまざまな方法により、効率的に買主を見つけ出すためのノウハウを持っています。
不動産会社がこれらの業務を一括しておこなってくれるため、売主は安心して売却活動を任せられるでしょう。
【早見表付き】仲介手数料の相場や上限を解説

不動産売却の仲介手数料には上限が設けられています。
これは、宅地建物取引業法で定められたもので、売却価格に応じて計算されます。
その金額は不動産の金額により異なり、以下のような計算方法となります。
不動産売却価格(税抜き) | 仲介手数料の上限額 |
200万円以下 | 売却価格 × 5% + 消費税 |
200万~400万円以下 | (売却価格 × 4% + 2万円) + 消費税 |
400万円超 | (売却価格 × 3% + 6万円) + 消費税 |
仲介手数料は、上限内であれば金額はいくらに設定しても自由です。
ただし、不動産業者によっては、法律上の上限額を適用している業者もいれば、上限より低い仲介手数料を設けている業者もあります。
仲介手数料は、物件の価格が高くなるほど高額になります。そのため、高額な物件を売却する場合は、おおよその手数料をしっかりと理解しておくことが重要です。
【早見表】仲介手数料の計算例
仲介手数料の上限は上記の計算で算出できます。
以下に売却金額ごとの仲介手数料をまとめましたので参考にしてください。
不動産売却価格(税抜) | 仲介手数料(税込) | 不動産売却価格(税抜) | 仲介手数料(税込) |
100万円 | 5万5,000円 | 3000万円 | 105万6,000円 |
200万円 | 11万円 | 3500万円 | 122万1,000円 |
300万円 | 15万4,000円 | 4000万円 | 138万6,000円 |
400万円 | 19万8,000円 | 4500万円 | 155万1,000円 |
600万円 | 26万4000円 | 5000万円 | 171万6,000円 |
800万円 | 33万円 | 6000万円 | 204万6,000円 |
1000万円 | 39万6000円 | 7000万円 | 237万6,000円 |
1500万円 | 56万1,000円 | 8000万円 | 270万6,000円 |
2000万円 | 72万6,000円 | 9000万円 | 303万6,000円 |
2500万円 | 89万1,000円 | 1億円 | 336万6,000円 |
関連記事:マンション売却にかかる仲介手数料はいくら?計算シミュレーションを紹介
仲介手数料を支払うタイミングはいつ?
仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約を結ぶ時に半額、物件を引き渡す時に残りを支払うのが一般的です。
契約書には、手数料の支払い条件やタイミングが記載されていますので、必ず確認しましょう。
分割払いの方式は、経済的な負担を軽減し、手続きをスムーズに進める上で非常に有効です。
特に高額な物件の売却では、手数料の分割払いは大きなメリットとなります。
また、契約前に手数料を支払う必要がないため、余計な費用をかけずに売却を進めることができます。
不動産会社によっては、手数料の支払い方法に関して、より柔軟な対応をしてくれる場合もあります。例えば、物件引き渡しが完了するまで手数料の全額を後払いにしてもらえたり、支払いを分割にすることも可能です。
契約前に確認・相談してみましょう。
仲介手数料は交渉して安くできる?
仲介手数料は、法律で上限が定められていますが、交渉次第で割引が受けられる場合があります。
手数料交渉が成功するかどうかは、不動産会社の考え方や、売主・買主との信頼関係も大きく左右します。
大手よりも地域密着型が柔軟な傾向
大手の会社は割引に慎重な傾向がありますが、地域密着型の会社は顧客獲得のため柔軟に対応してくれることもあります。
売却しやすい物件なら交渉の余地あり
不動産を売却する場合、売却が早くできそうな物件や競合が多い地域では、手数料の割引交渉が有効です。
他社との交渉を伝えるのも一手
また、ほかの不動産会社とも交渉していることを伝えることで、より条件の良い契約を結べる可能性もあります。
媒介契約の種類も交渉材料になる
専属専任媒介契約や専任媒介契約にするといった方法も交渉材料になります。
1社としか契約できませんが、不動産会社にとっては売主と買主の両方を仲介する「両手取引」になる可能性が高くなります。
不動産会社にとっては両方からの仲介手数料を得られますので、積極的に紹介してもらえる可能性も上がりますし、仲介手数料も安くなる可能性があります。
購入希望者は交渉に慎重になるべき場合も
一方、不動産を購入する場合はデメリットもあるため、交渉しない方がいい可能性があります。
仲介手数料が安くならないか交渉するのは自由ですが、値引きをしない業者が多くあります。
不動産仲介業者も高く購入してくれるお客さんを優先するでしょうし、交渉すると「値引きを希望する方は、対応しても結局他社と比較されて購入に至らない可能性がある」と思われるからです。
不動産購入時の値引き交渉のコツ
そんな中で交渉する場合は、2つのことが伝わるように交渉しましょう。
1.「この不動産会社で購入する意欲がある」と相手に伝える
業者の営業さんが交渉に応じる理由(売り上げが確約できる)があれば交渉できる可能性が上がります。
2.「予算に限りがあることを伝える
仲介手数料が想定より高かった場合に素直に伝えることが大事です。
業者の営業さんも人間ですので、(これぐらいなら何とかしてあげよう)と思ってもらえれば交渉につながる可能性があります。
仲介手数料が無料・安くなるカラクリ

不動産を売買する際、同じ物件であっても「仲介手数料無料」や「安い手数料」を提示する不動産会社があることに疑問を持つ方もいるかもしれません。実は、いくつかの理由により、仲介手数料が無料または安くなるケースがあります。
- 買主のみが仲介手数料を支払う場合
仲介手数料が無料になるもっともシンプルな仕組みは、「買主からのみ手数料を受け取る」運営方針の不動産会社によるものです。
従来の不動産業界では、売主と買主の双方から仲介手数料を受け取る「両手仲介」が一般的でした。しかし、業界内の競争が激化する中で、売主側の仲介手数料を無料にし、差別化を図る会社が増えています。
- 売主・買主双方の手数料を安く設定する会社も
売主・買主のどちらかだけでなく、双方の仲介手数料を通常より安く設定している会社もあります。仲介手数料による収益は減るものの、「仲介手数料が安い」というメリットを打ち出すことで、顧客数の増加による利益確保を狙っています。
- 広告費や人件費を抑えることで実現
インターネットを活用した広告や、営業活動の効率化によって人件費を削減し、その分を仲介手数料の割引に還元している不動産会社もあります。運営コストのスリム化が、手数料の安さに繋がっているケースです。
- 不動産会社の自社所有物件の場合はそもそも不要
不動産会社が売主である「自社所有物件」を購入する場合は、仲介手数料が発生しません。売主を仲介する必要がないため、仲介手数料が発生しないためです。
「別名目の費用請求」には要注意
仲介手数料が無料や安いことは魅力的ですが、注意も必要です。
一部の不動産会社では、仲介手数料を無料としながら、「交渉費用」や「事務手数料」などの別名目で費用を請求するケースがあります。
仲介手数料には法律で上限が定められていますが、その他費用には法的な上限がないため、結果的に通常の手数料以上の金額を支払ってしまうこともあります。
仲介手数料が安いからといって、すべての条件が有利とは限りません。契約前に必ず費用の内訳を確認しましょう。
まとめ
不動産売却は、人生の中でも大きな取引のひとつです。安易に決断せず、複数の不動産会社を比較検討することが成功への近道です。
仲介手数料の有無や金額だけでなく、各社のサービス内容や担当者の対応、信頼性なども含めて、慎重に見極めましょう。
不動産売却に関する基礎知識を知りたい方は下記記事もご覧ください。
不動産売却の基本ガイド|流れ・注意点・成功のコツをわかりやすく解説